臨床心理士とは
公認心理師について簡単に触れたので
臨床心理士についても
触れておこうと思います。
なんといってもこの資格を取得して
20年近く付きあってきた資格ですしね。
臨床心理士とは臨床心理士認定協会が
認定している民間資格です。
資格認定がスタートしたのは
昭和(!)63年(1988)で
私が取得したのはちょうど2000年です。
これはいってみれば
「心の問題に取り組む専門職」
の証のようなものですね。
(「なるほどジョブメドレー!」
に詳しく出ていたのでよかったら
参考にしてみてください)
臨床心理士の特徴は
「汎用性」が求められている
ところです。
資格を取った後は
それぞれの専門を
磨くことになりますが
受験するときには
「医療領域」
「教育領域」
「福祉領域」
「司法領域」
「産業領域」
に渡る幅広い知識が求められ
しかもそれぞれ
「乳幼児期」
「児童期」
「思春期」
「青年期」
「成人期」
「老人期」
といった年齢層の特徴も
網羅しなくてはならない
という広大な知識が求められます。
私は医療と教育領域
そして乳幼児から思春期までのクライアント
そしてその保護者が主な対象でした。
臨床心理士を取得するには
学部を卒業したあとに
大学院に行かなくてはならず
この大学院は
臨床心理士認定協会が認めている
「指定校」と呼ばれる
大学院に行く必要があります。
私が取得したのは
その指定校という制度が
できるより前でしたので
大学院卒であることは必須でしたが
大学院にそこまで細かい指定はなく
心理学隣接諸科学(割とアバウト)を
専攻していればいい
といった括りだったかと思います。
そもそも私の専攻は児童学でしたし。
(しかも修論は児童文学がテーマだった。
大丈夫か?私…)
臨床ということばはよく聞くわりに
意味が知られていないように感じますが
もともとは
「死の床に臨む」と書いて臨床
となにかの本で読んだ記憶があります。
死にゆく人に寄り添う
という意味ですね。
そういうことから
「臨床」とは研究や学問ではなく
実際に人と接する場合に用いられます。
医師でしたら「臨床医」といえば
実際に患者さんを診察し治療する医師
という意味です。
なので臨床心理士でしたら
実際にクライアントさんと面接し
サイコセラピーなり
カウンセリングを行う者
という意味になります。
ちなみに
臨床心理士が主にどういった職場
にいるかというと
約40%が医療機関
約36%が教育機関
(スクールカウンセラーなど)
あとは保健・福祉領域と
司法領域、産業領域に少し…
といった感じです。
なのでいざ臨床心理士に相談したい
と思っても
病院や公的機関にいることが多いので
なかなか臨床心理士の相談にたどりつけない
という方もいるかもしれません。
常勤よりも非常勤という雇用形態が多く
高学歴・高難易度の資格のわりには
社会的に安定しているとは
お世辞にもいえない資格ではあります。
この臨床心理士
取得したらそれでおわり
というものではなく
更新制度があります。
研修会や講習会などに
積極的に参加し
5年間で15ポイント
取得することによって
資格の更新ができます。
生涯、学び続けてね
ということですね。
まったくの余談になりますが
臨床心理士は
平成31年(2019)4月1日で
35,912名いました。
それが令和になり
同じ2019年の終わりに
送られてきた資料によると
登録人数が1万人近く減って
2万人台になっていました…。
確かに国家資格の公認心理師は
更新制度がないから
取得したら一生ものだものね。
公認心理師を取得して
臨床心理士の資格は返上した方
が多かったということでしょう。
もしかしたら臨床心理士
絶滅危惧種かもしれません…