臨床心理士と公認心理師の違いについて
【追記】(2023/12/29)
このブログへのアクセスが案外多いので
きちんと臨床心理士と公認心理師の違いに
ついて追記しておきますね。
もともとは、「士と師が違うのはなぜ?」に
答えようとしたブログだったので・・・
臨床心理士と公認心理師の違いですが、
仕事内容に大きな違いはありません。
どちらもカウンセリングとアセスメント
関係者および関係機関へのコンサルティングが
おもな業務内容となり
臨床心理士はそれに加えて「研究」
公認心理師は「心理知識の普及」が
業務内容として挙げられています。
それぞれの資格の取得経路は若干の
違いがあり
臨床心理士は大学の学部で何を専攻したかは
特に問われず
大学院卒が資格取得条件であるのに対し
公認心理師は大学の学部が心理学である必要が
ある
といった違いがあります。
そのため、現在高校生で将来カウンセラーに
なりたい、と考えている場合は
公認心理師の取得を視野に入れて
大学は心理学を専攻されるのが良いと思います。
逆にすでに社会人になってから
カウンセラーを目指したい方は
もう一度大学を卒業するよりも
臨床心理士認定協会が指定する
大学院を修了し
臨床心理士を目指されるのが現実的かなと
思います。
以前のブログでも書いたとおり
この二つの資格の最大の違いは
公認心理師は国家資格である
に尽きると思いますので
これから取得するなら公認心理師のほうが
安全かなと思います。
ただ、臨床心理士と公認心理師でやることの
違いはありません。
職場によって求められる技能も違いますので
ご自分がどんな現場で、どんなクライアントを
対象にした臨床をしたいのかを
イメージしておくといいかもしれませんね。
以上、追記でした。
臨床心理士と公認心理師、
なぜ「士と師が違うの?」
と思いませんか?
結論からいうと
公認心理師というのは
心理業界初の国家資格であり
名称独占の資格になります。
なので公認心理師以外のカウンセラーが
「心理師」という名称を用いることは
法律上できません。
これは医師や弁護士資格を持っていない者が
医師や弁護士と名乗れないのと一緒です。
ただし
名称独占であって業務独占ではありません。
そのため相談業務やカウンセリングは
公認心理師でなくても行うことができます。
教師が教育相談を行うことはOKだし、
それこそ占い師が心理相談をうたうこともOKです。
いっぽうで臨床心理士をはじめ
世間には多くの心理士が
すでに存在していました。
学校心理士や
臨床発達心理士
特別支援教育士など。
こうした資格はそれぞれの
認定協会が出している資格ですが
いまさら「心理士は使っちゃダメ」
ということになると混乱するので
民間の資格は「心理士」
国家資格は「心理師」
として区別する
という苦肉の策(?)が講じられました。
そういうわけで
世間には現在多くの「心理士」と
国家資格である「心理師」が
存在していることになります。
多くの心理カウンセラーや
サイコセラピスト
心理療法士・・・
名称はどうあれ
現在日本において
心理業界唯一の国家資格
はこの公認心理師ただ一つ
になります