中秋の名月と日本人の心

9月21日は中秋の名月
十五夜でしたね。
しかも満月!
今週はシルバーウィーク
ということもあり
比較的のんびりした時間を
過ごしていました。
中秋の名月にちなみ
私の好きな
あるお話をご紹介します。
あるイギリス人の
回顧録です。
彼はもう何十年も
日本で暮らし
日本語は堪能だし
日本の文化にも慣れた。
日本の友だちも何人もできた。
ああ、自分はもうすっかり
日本人だー。
そう思っていたそうです。
ところが
ある日の夜
日本の友人何人かと
食事をしていたときのことです。
あるときふと
ひとりの日本人が言いました。
「あ、今日は十五夜だね」
それを聞いて
その場にいた日本人みんなが
月を見上げたとき
その場の空気が
一瞬で変わったそうです。
日本の文化に精通している
イギリス人の彼は
もちろん十五夜のことを
知っているし
日本のお月見のことも
知っている。
だけど日本人の心にある
「中秋の名月」
「十五夜」
に思いを馳せる気持ち
誰かが
「十五夜だね」
と言っただけで
その場にいた日本人全員が
その背後にある
「月に対する思い」
までも一瞬にして共有したこと。。。
そのときそのイギリス人は
どんなに自分が日本のことを
深く理解したと思っていても
この思いだけは
決して身に着けることができない。
そう思ったそうです。
ことばはその国が
大事にしていること
が表されています。
日本ほど季節や色、自然を表す
ことばが豊かな国は
なかなかないのでは
ないでしょうか。
そんなことを感じた
シルバーウィークでした。