乳幼児健診におけるカウンセラーの役割

コロナのため
自治体で行う乳幼児健診は
延期が続いているのですが

今日ようやく
契約している自治体で
3歳児健診を行うことができました。


1歳半健診や
3歳児健診といった乳幼児健診は

保健師さんを中心に
看護師さん、管理栄養士さん、歯科衛生士さん
そして小児科医と小児歯科医といった
多くのスタッフと一緒に
私たち心理士(師)も
子どもたちの発育・発達の確認や
お母さんたちからの育児相談を受けています。


今日は久しぶりの健診
そしてまだまだコロナ感染を
注意しながらの実施ということで

スタッフ一同入念な行動フローの打ち合わせや
子どもたちができるだけ密にならないように
使用したものの殺菌なども
随時行うよう気をつけながら
健診の打ち合わせを行いました。


そして健診はいつもより
多少の時間はかかりながらも
スムーズにすべて終わったのですが・・・


なんだろう。
久しぶりの健診だったからなのか
子どもたちがいつもにも増して可愛い。


今日は3歳児健診だったので
みんなおしゃべりもできるし
待ってる間に子ども同士で遊んだりもする。


そうかと思えば
知らないおばちゃんたち
(主に保健師さん、笑)
に質問されてる間に
へそを曲げてしまい、
かたくなに
お返事してくれない子も出てきたり。

そんな時に限って
連れてきてくれたのがお父さんで
全然子どもの機嫌が直らず
問診が渋滞中。


心理士(師)の私は
最初のうちは出番がないので
おへその曲がってしまってしまった
子どもをかまいにいきます。

ふてくされている子どもを
さくっとお膝にのっけて
おばちゃん(いや、保健師さん)
の質問をもう一度聞いたり、
別の質問をはさみながら
子どもの機嫌をとったり。


案外こうして構われることを
拒否する子どもはあまりいないので
そうこうしているうちに機嫌もなおり
そのまま一緒に手をつないで
次の関門(体重、身長、頭位測定)
の部屋に連れていきます。


いつもなら衣服を脱いで
計測するのですが
今回はコロナ対策で
着衣のまま測定をしました。


結果として
これがスムーズにいった
一因だったように思います。


いつもなら知らないおばちゃん
(ここには看護師さんや管理栄養士さんもいる)が、
見知らぬ器具(体重計、身長計)
の前で待ち構えているわけです。


しかも通常
ここで服を脱げとか言われる。


おばちゃんたちを凝視しながら
お母さんに促されてスムーズに
計測させてくれる子もいるのですが

ひとり泣き出す子が出るともう大変。


「何か怖いことが起こったのでは!?」
とばかりに連鎖反応で泣き出す子たちが続出し
計測室はちょっとした阿鼻叫喚に包まれたりします。


まぁ、おばちゃんたちは慣れているので
まったく意に介さずに体重を量ったり
身長を測ったり
魔術師のようにあっという間に
頭位を測ったりするのですが。


もちろん
「そのアンパンマンの靴下かっこいいね!」
「あ!ここ(体重計)に妖怪ウォッチがいる!」
「すごい! えらい! 泣かずにできてさすがお兄ちゃん!!」
と3歳児を相手に褒めちぎって
その気(?)にさせることも忘れません。


自治体によって違うのですが
ここが終わると次はドクターの問診だったりして
子どもたちの受難はまだまだ続くのですが・・・


そんな乳幼児健診における
心理カウンセラーの仕事は
主に子どもの発達のアセスメント(見立て)をすること
育児相談を希望された保護者の相談に乗ることです。


子どもの発達というのは
ある一定の道しるべに沿いながら進んでいくもので

個人差はあるものの

1半健診では
「有意語(ママとかわんわんとか、意味のあることば)がいくつか出ているか」
「自力歩行できるか」
「視線は合うか」

等をチェックし

3歳児健診ではさらに
「社会性は発達しているか」
「会話が成立するか」
「歩行と言った粗大運動だけでなく、指先などの微細運動の発達はどうか」

などといったところに注目しています。


発達というのは
だいたい6,7歳で出そろうもの
(そのため多くの国でこの年齢で就学するのです)

なので
3歳児健診ではまだ
はっきりとしたことは言えない面もありますが

でもやはり発達が気になるお子さんに対して
ここで「様子を見ましょう」
というのはプロではないように思っています。


「様子を見る」と言うのなら
子どもの「何の」様子を見るのか
「いつ」まで見るのか
せめてそれくらいは
きちんとお伝えすべきではないかと思います。


そして当然この乳幼児健診は
母子と保健師さんや私たち心理士(師)たちの
大切な出会いの場のひとつだと思っています。


これから先のお子さんの成長
をともに見守る存在として
お子さんの発達を促すには
どのような関わり方をするのが望ましいのか
を常に考える存在として。


小さいお子さんを持つ
保護者のかたにとってみれば

ことばひとつ
歩行ひとつ
トイレトレーニングや
卒乳や離乳食ひとつとっても
気になることだらけだと思います。


なにか気になることがあるときは
乳幼児健診で所在なしにウロウロしている

「この人何してる人だろう?」

と疑問に思うような人

それがたいてい
臨床心理士(もしくは公認心理師)ですので
不審がらずに
声をかけてくれると嬉しいです。