精神科と心療内科の違い

医療のなかでも
精神科は非常に敷居の高い科
ではないでしょうか。


敷居が高いというか
自分には関係ないと思いたいというか
頭のおかしい人が行くところ
と思われがちと言いますか。

(患者さんの名誉のために言いますが
決してそんなことはありませんよ)


それは昔から変わらず
今でこそうつ病が「心の風邪」
というような言いかたを
されるようになりましたが

今でもやっぱり気軽には
受診できない場所なのではないか
と思います。


それに対して心療内科
なぜか分からないけど
少し柔らかいイメージがある。


精神科に通っている
とは言いづらくても
心療内科に通っている
は少し言いやすい・・・
のかもしれない。


そんな精神科と心療内科
の違いですが
精神科は
簡単にいえば
「心」を診るお医者さん


抽象的な言いかたをすれば「精神」

少し科学的な言いかたをすれば「神経伝達物質」とか

「脳内の仕組み」を診ている科になります。


それに対し
心療内科はその名のごとく
内科がベースです


内科がベースにありながら
原因に心の問題や
ストレスが多大な影響を及ぼしている場合
に診てくれるのが心療内科になります。


ストレスが高じて胃潰瘍になったり
十二指腸潰瘍になったり
原因不明の腹痛や頭痛
下痢が続くなどの症状が
メインになります。


つまり、原因は心にありそうだけど
それが内臓の疾病となって表れている場合
に受診するといいのが心療内科ですね。


もちろん
明確に区別されているわけではないので
心療内科でも対象範囲は広くなっているでしょうし
精神科でも患者さんが体の症状を
訴えることももちろんあります。


ただ、心の問題から生じる症状だと思っていたら
実は体に病因があった
(例えば甲状腺の異常など)
というようなことがあっては困るので

精神科のお医者さんたちは
患者さんが体の症状を訴えてきた場合
念のため
「内科などで診てもらって」
とアドバイスすることになります。


私がお世話になっていた
精神科クリニックのH先生は
「精神科医は医者じゃない」
なんて話していました。

私が、「先生、またまた~」と笑っていたら、

「本当だぞ。
精神科医が当直なんかしていて
夜中に急患が入ったら
『おい、医者を呼べ!』って
叫ぶんだからな」って話してくれました。


つまり、身体は診れないよ
という意味での
「医者じゃない」ですね。


また余談になりますが
以前夫が足に大やけどを負ったことがあり
そのとき救急で診てくれたのが
外科の先生でした。

そのときの処置が
めちゃくちゃ痛かったとか。

後日、改めて皮膚科に診てもらったとき
皮膚科の先生に
「ああ…、消毒液かけられちゃったんですね…。
それは痛かったでしょう」
と労わられながら、
とても優しく、痛くない処置をしてくれたとか。


それを知り合いのドクターに話したら、
「外科は手術中に雑菌が入るのをとにかく嫌がるからね。
強力な殺菌をしたがるんだよね。
それを皮膚科医が見ると、
なんでもかんでも強めに殺菌して、
あれじゃ患者がかわいそうだって思うんだよ」
って話してくれました。


こういうあたり
何科のお医者さんかによって
表れる個性がだいぶ違うので
なんとなく面白いなと思っています。


精神科医小児科医も違いますしね。
(小児科医のほうが優しいかといえば案外そうでもない)


ちなみに
私の中での最強資格は看護師です(笑)


臨床心理士はずっと
公的な資格ではなかったので
これから公認心理師の人数が増えていったら
どんな個性の集団になるのか
ちょっと楽しみです。