発達性協調運動障害には道具の工夫を


前回発達性協調運動障害が疑われ
そのせいで登校を渋るようになった女の子
「ある女の子が不登校になりかけたわけ」
のことを書きましたが

何を隠そう我が家の次男くんもかなりの不器用です。


もともとおっとりしていて
お世辞にも要領がいいとは言えない次男くんですが
私が彼の困り感に気づいたのは
小学校でコンパスを使うようになってからでした。


ある日宿題をしている次男くんを見てふと気づきました。


「あれ・・・・コンパス苦手?」


そう言うと次男くんはちょっと気まずそうに
「・・・うん」と答えました。
「上手くできない」とも。


そこで次男くんにコンパスの使い方を見せてもらうと

うーん・・・これは自力ではなかなか
上手にコンパスを回すことは難しそうだね。


そのとき私が何の気なしに軽く
「ふーん。不器用だったんだね」
と言ったときの次男くんの顔が忘れられません。


次男くんはぱっと顔を上げ
なんだかとっても嬉しそうに
「うん、ぼく、不器用なの!」と答えました。


その次男くんの明るい表情を見て思いました。


そうか次男くん
自分が上手くコンパスを使えないことを気に病んでたんだ。

そして上手くできないことにコンプレックスを感じてたんだ。

なぜ上手にコンパスが回せないのか分からずに
「上手くできなくてダメなぼく」って感じてたんだ。


でも私に「不器用だったんだね」
と言われたことによって

次男くんは
「コンパスさえ上手く扱えないダメダメなぼく」
という自己認識から

「コンパスだけが苦手なただの不器用なぼく」
に自己認識が変化したのです。


つまりなんとなくトータルでダメっぽい
と思っていたのが
ダメなのは微細運動(指先の使い方)なだけで
ぼくのすべてがダメなわけではない
と理解したようなのです。


そのとき私が感じたことは
「名づけてあげることの大切さ」でした。



理由が分からなくて困っていることに
「君はこういう理由で、だからこれが苦手なんだよ」
と教えてあげると
ただそれだけで心が軽くなることがある。

できない自分を責めて、萎縮せずにすむ。


そして不器用であることの大半は
道具の工夫で解決できるのです。


私が次男くんの不器用さに気づいて真っ先にしたことが
「不器用な子でも楽々使えるコンパス」を用意してあげること!


その名もズバリ、「スーパーコンパス くるんパス」!!


値段もたったの税込み550円!
世の中どれだけ便利になってるんだ!


これを買ってあげたところ
次男くんのコンパスが上手く使えない
という状態はあっさり解決。


彼に無駄な努力を強いることなく
扱いやすいコンパスを与えることで
問題は楽々解決しました。


次男くんこの画期的なコンパスに
よほど救われたらしく
まるで宝物のように扱っていました。


でも上手くできなかったことも
年齢とともに徐々にできるようになっていくもので
今ではコンパスが上手く使えなかったことなど
あまり覚えてもいないようですけどね。


コンパスのことで四苦八苦している子がいましたら
ぜひ道具を見直すことを試してみてください。