C.G.ユングの「タイプ論」

ブログを書いていたら
ユングの「タイプ論」
という古い本を思い出しました。
心理学では
性格のとらえ方をあれこれ考えていた
時代があり
大きく分けて
「類型論」と「特性論」
という考え方があります。
類型論は性格をいくつかのタイプに分ける考え方で
ユングの「タイプ論」もそれに当たりますし
学問ではありませんが超有名なものとしたら
血液型のA型、B型、O型、AB型
がありますね。
それに対して特性論とは
性格をいくつかの要素に分け
その要素をどのくらい持っているか
という観点で性格を捉えようとしたものです。
ユングのタイプ論では
性格を大きく「外向的」と「内向的」に分けます。
これはその人の興味関心が
おもに外側(世間とか社会とか)に向かうか
内側(自分の心のほう)に向かうか
によって分類します。
そのうえでメインに「思考ー感情」という軸があり
サブに「感覚ー直観」という軸
をクロスさせます。
思考は頭で論理的に考えるいわば理系型。
理系男子のイメージですね。
冷静沈着。
なんでもデータから考える。
感情は考えるのではなく感じるタイプ。
「面白そう!好き!嫌い!食べたい!」
とまず感情が反応するタイプです。
自分は思考優先か感情優先のどっちかな?
と考えたところで次にチェックするのが
「感覚ー直観」です。
感覚は外側の変化をよく見ています。
色合いや風景の細部
五感による知覚に優れていて
友だちが髪型を変えたらすぐに気づくタイプ。
それに対して直観は
あまり外側の世界をちゃんと見ていないというか
見てるようでやっぱり見ていないというか
どこかに出かけても
「あれ、そんな建物あったっけ?」
みたいな反応をしてちゃんと覚えていない。
それなのに出かけた先の夕暮れの景色
にひそかに感動していたとか
そんな感じ。
ユングの面白いところはただ分けるだけではなく
より使っていない機能にも着目したことです。
例えば「思考ー感覚」が優位で
「感情ー直観」をおろそかにしている男性がいたとすると
(客観的数字を重視する切れ者上司みたいな)
その人はあまりにも自分の感情に目を向けることや
直観を無視する人生を送ったがために
感情の発達が未成熟になり
老人になってからかんしゃくを起こしやすいとか。
教室で静かにしている子がいたら
その子の心の中にはどれほどの
豊かな世界が広がっているか
想像すると、ちょっと素敵ですね。