カウンセラーになりたい人とは



今は亡き精神分析の大家
小此木啓吾先生のセミナー
に参加したときのことです。


今から20年近く前
まだまだ私が臨床家のたまご
だった頃の話です。


そのセミナーで小此木啓吾先生
がおっしゃったのが


「カウンセラーとか医者とか看護師とか
誰かをケアしたいっていう思いのある人は
自分がケアされなかった人。

だから他人をケアすることによって
自分をケアしたがるんだよね」

ということでした。



そしてさらに

「でも他人を自分の代わりにケアしていては
いつまでたっても本当のプロにはなれない。

まずは自分をケアしなさい」


ということばでした。




そのときはなんとなく含蓄の深い
ことばだとか

確かに自分のことを言われているようだ
と思っただけでしたが


あれから20年たち

人の心に関わる仕事をしてきた今なら

そのことばの奥深さがよく分かります。



誰もが自分の心の痛みに蓋をして

見ないようにして

なかったようにして

それでも「癒し」ということばに惹かれます。



「自分を大切にする」って言われても

どうしたらいいか分からないけど


それでもやっぱり自分を大切にしてからでないと

本当の意味で周りの人を大切にすることはできないのだ



今なら厳しい意味でそれが真実だと思えます。


愛も信頼も宇宙にはたくさんあるのに

自分の心から沸き起こるものでないと

いつまでたっても外に求めることになってしまいます。


青い鳥のようにね。